古代ギリシャの歴史家、ヘロドトスが「他のバラに優る芳香を放つバラ」としてあるバラを述べているが、おそらくダマスクローズのことだと推測され、紀元前から愛されているバラの系統だと思われる。現在でも香水などの香料に使われている。ブルガリアや南フランスの産地は良く知られているが、モロッコ、トルコ、イランなどでも香料用のダマスクローズが生産されている。
一季咲き、シュラブ樹形、小中輪から中輪。ロゼット咲きのロマンチックな花形や、丸弁咲きのナチュラルな花形のバラが多い。ピンクの濃淡、白など花色はかなり限られる。ダマスク系の強香のバラが多い。他の系統と比べ、とくに香りが強く、香水の香料としても使われる。病気に強く、無農薬、低農薬で育てられるが、多肥でうどんこ病になりやすい。また葉を落としたとしても樹勢で葉を回復する。枝も堅く劣化しづらい。耐寒性や耐陰性にとても優れるバラが多い。主張しすぎず、庭で他の植物と合わせやすいが、花持ちはやや劣る。家庭ではコンパクトなつるバラとして使うと良い。樹形はガリカ系よりも奔放で大きくなるものが多い。