夏剪定の目的はというと、
夏剪定をすることで、秋バラの開花タイミングを合わせる。気温が下がり始めるころに切ることで良い芽を出させ時間をかけて開花することで秋バラらしい美しい花を咲かせる。樹高を下げることで鑑賞しやすい高さに花を咲かせる。などがあります。また、台風などの被害から株を守ることもできるし、樹高が下がることで株元からシュートも出やすくなります。そして、夏剪定は必ず行わなくてはいけない作業ではありません。逆に夏剪定をしないほうが良い場合もあります。夏剪定を行うことで良い花を咲かせる事ができるバラは繰り返し咲きや四季咲きなど、秋に花を咲かせるバラです。一季咲きのバラや返り咲き性の弱いバラなどは夏剪定をしても花は咲きません。
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夏剪定を行えるのは、葉がたくさん残っていて
根がしっかりと健全に育っていることが前提です!
夏バテをしてしまったバラや病気でほとんど葉がないようなバラ、新苗でまだ生育が不十分なバラなどは、夏剪定で深く切り戻すと樹勢を落としてしまう恐れがあります。そのようなバラは通常の花後剪定と同じように花枝の途中あたりで切り戻し、葉をなるべく多く残して生育を優先してください。さらに弱っているバラは夏同様に花を咲かせず蕾が小さなうちにピンチをしてください。花を咲かせることはエネルギーを一番必要としますので株を充実したいときには花を咲かせないことが何よりも効果があります。
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夏剪定のタイミングは、
昔は8月末に夏剪定とよくいいましたが、最近は温暖化の影響もあり9月に入ったといっても暑い日が多くなります。その年の天気などもありますが、関東以西の温かい地域では9月1〜15日頃に夏剪定をするのがおすすめです。
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大輪種や大きめの花は開花するのに時間がかかるので早め、開花サイクルの早い中輪や小輪は遅めに行います。夏剪定が早すぎると、まだ暑い時期に芽が出てしまうので、じっくり時間をかけずに花を咲かせてしまいます。そうなると、ほんとに秋の花?っていうような小さな花を、咲かせることになってしまうこともあります。それに、せっかくきれいな花が咲いても、暑いと花もちが良くないので、すぐに花が散ってしまうことも…。
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しかしながら、四季咲きや繰り返し咲きでもシュラブやつるバラには、シャンテロゼミサトやローズドゥグランヴィルなど夏剪定が遅くなると蕾をつけにくい品種があります。そのような品種の場合には8月中〜下旬ころに、あまり深く切戻さず浅めに剪定してあげると秋の花をつけやすくなります。その年の天候や品種によってはお盆頃に夏剪定をしたほうが花がよく咲く場合もあります。
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また、モンクゥールやナエマなどの開花に時間のかかる遅咲き品種などは、剪定が遅くなると、蕾がついても花が咲く前に寒くなりすぎて開花できない場合もあります。そして、寒い年などはハイブリッドティなど大輪の木立バラでも、剪定が遅めだと、開花する前に寒くなりすぎてしまうこともあります。
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夏剪定はほんの数日で、全く違う結果になることもあります。初心者の方や心配な場合は、早めの9月初旬に夏剪定を行うのが安心です。慣れてきたら地域や品種によってベストのタイミング見つけより美しい秋バラを咲かせる事も夏剪定の楽しめる魅力のひとつです。
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夏剪定の基本について、
夏剪定では必ずよく切れるハサミを使いましよう!オススメの鋏はこちらとこちら。
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そして、剪定鋏は切り刃(切れる方)を下、受け刃を上にして切ってください。受け刃を下にすると株に残った枝の断面が潰れてそこから傷みなどの原因になることもあるのでご注意ください。
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夏剪定だけじゃなく剪定の基本は、葉の付け根のすぐ上5mm〜1cmで切ります。また、内芽外芽を意識して剪定すると、思い通りの樹形に育てることが出来ます。株を広げたい場合には外芽で、株を細めにしたい場合には内芽を出すように剪定してください。
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剪定のご質問でよくあるのがこちらの2つ。
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Q、切りたい場所に葉っぱがないよ?
そんな時には枝に小さな膨らみがある場所で剪定してください。
そのすぐ下に、今は落ちてしまった葉が生えていたので、このポッチは葉と同じと思って大丈夫です。
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Q、剪定したい場所で枝分かれしているよ?
枝分かれしているのは、もともと葉があり一度芽が出て枝になっているから。
枝分かれしている場合には、そのすぐ上5mm〜1cmで切ればOKです。
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剪定をして良い花を咲かせるためにはある程度太い枝まで切り戻すのがポイントです。切り戻した時の切り口の太さが1つの目安になります。大きな花は太い枝まで切り戻さないと見ごたえのある花は咲かせません。また、ミニバラなど小輪の花は細い枝でもしっかりと花を咲かせます。
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大輪は鉛筆の太さ、中輪は割り箸、小輪は爪楊枝の太さまで切り戻すのが基本となりますが、新苗の場合はまだ枝がそこまで太くない場合も多いので基準は少し緩めでも大丈夫です。また、もともと細枝の品種もあったりしますし、その太さまで切り戻すと短くなりすぎたりしますのであくまで1つの基準として覚えてください。それでは実際に切っていきましょう♪
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